かわら版

国会かわら版Vol.49 「核なき世界へ」

■広島・平和記念式典に一般参列

8月6日、広島原爆の日に平和記念式典に参列しました。初めて中学生の娘を連れて行きましたので、今回は国会議員としての来賓ではなく、一般参列でした。

会場には、子どもや中高生、外国の方の姿も多く見られました。世代を越えて、国境や民族を越えて、広島の悲劇と教訓を受け継ぎ、二度と繰り返さないことを誓う、そんな空気に包まれていました。

また、ボランティア、市・県の職員、警察、消防など、実に多くの方々がこの式典に関わり、汗を流しておられました。

私も政治家として、一人の国民として、平和で豊かな日本を希求し、そのための努力を続けなければならない、その思いを新たにしました。

■核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を

式典の前日、広島で行われた国際NGO主催の各党討論会に、立憲民主党を代表して出席しました。国連の中満泉事務次長、日本被団協の田中熙巳代表委員もご一緒でした。

私からは、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加や北東アジア非核兵器地帯の創設など、日本が取るべき非核政策を提起しました。

核禁条約については、将来的な署名・批准も視野に置きつつ、まずは締約国会議にオブザーバー参加すべきです。これは直ちに実行できることです。

日本は核保有国と非核兵器国の「橋渡し役」を担うと言いながら、結局どっちつかずで、リーダーシップを十分に発揮できていません。米国の核の傘の下にある日本が核禁条約にオブザーバー参加することは、矛盾でも安全を損なうことでもなく、まさに「橋渡し役」としてふさわしい立ち位置です。

核廃絶に向けた各党代表討論会で発言する本庄さとし

■北東アジアを非核兵器地帯に

核禁条約へのオブザーバー参加という短期的取り組みと、将来的な署名・批准という長期的目標の中間点にあるのが「北東アジア非核兵器地帯」の設立です。

これは、日本、韓国、北朝鮮が核兵器を製造、保有、配備、使用しないことと引き換えに、周辺核保有国の米国、ロシア、中国がこの3か国に対し核兵器を使用しないことを約束するものです。東南アジア、中央アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、南太平洋には、すでに同様の非核兵器地帯が設立されています。

核兵器を保有する北朝鮮を抱える北東アジアでは実現困難と見る向きもありますが、北朝鮮にとっても、核放棄の見返り、安全の保証の具体策として、十分ディールに値する提案です。日本がリーダーシップを発揮すべきです。

■核武装論を論破する

最近は日本でも、核共有あるいは核武装まで政治家が公言する時代となっています。

しかし、唯一の戦争被爆国という道義的な観点だけでなく、政策的な観点からも、日本の核武装には何ら合理性・現実性がありません。経済制裁、核軍拡の連鎖、NPT体制崩壊の引き金となり、外交、安全保障、経済、国民生活など、あらゆる面で国益を損なうものです。

こうした事実を国会などで指摘し、核武装論を論破することも、我々政治家の役割であるとあらためて感じています。

2025年8月8日
衆議院議員 本庄さとし


討論会での発言の様子はこちらから

1回目の発言

2回目の発言