かわら版

かわら版Vol.31「どうする?マイナ保険証」

■岸田改造内閣、解散の可能性高まる

岸田改造内閣、自民党役員の顔ぶれが決まりました。人事の骨格が維持される一方で、11人が初入閣しました。来年の総裁再選をにらんだ派閥均衡バランス人事との見方もありますが、私はそうは思いません。

大臣の顔ぶれを見る限り、失礼ながら、これから1年、国会審議を乗り切るのは難しいと言わざるを得ません。つまり、秋の臨時国会召集後、論戦なしに衆院解散、という可能性が極めて高いということです。

2年前、岸田内閣が誕生したときも、国会召集、即解散でした。実はその前の、安倍内閣も同様の対応でした。二度あることは三度ある。まさに臨戦態勢です。

■河野大臣の留任でマイナ保険証は?

内閣改造の中で、私は、マイナ保険証を担当する河野大臣の人事に注目していました。結果は留任ということで、来年秋の保険証廃止など、これまでの既定路線どおり進められることになるでしょう。

私は、マイナンバー制度の意義、医療のデジタル化の必要性は理解し、推進すべきとの基本的立場です。

ただ、岸田政権が推し進める今の保険証廃止、マイナ保険証への一本化は、明らかに準備不足で拙速です。様々なトラブルもあり、改善も見通せない状況では、一旦立ち止まって見直すほかありません。

そもそも、マイナンバーカードの取得が任意、医療は皆保険(全員加入)である以上、マイナ保険証一択は論
理的に成り立たず、今の保険証との併用、選択制以外に答えはないのです。

また、今の保険証を残す以上、「資格確認書」なるものを新たに作る必要性、合理性もありません。

■マイナンバー制度や医療DXは十分な議論を

その上で、①マイナンバーの紐付け情報の範囲や活用方法、②医療のデジタル化の在り方や進め方については、当面のマイナ保険証の対応とは切り離して、より抜本的、中期的課題として、十分な議論が必要です。

ただ、マイナカード自体はデジタルでも何でもなく、むしろ「アナログ」です。カードを持つことがデジタル化だと言わんばかりの政府の発想、方針は本末転倒です。

■秋の臨時国会に向けて

立憲民主党は秋の国会で、保険証廃止の撤回法案を提出する準備を進めています。通常国会で保険証廃止法案に賛成した維新の会、国民民主党にも、是非撤回にご賛同いただきたいと思います。

私は、1年前から国会でこの問題を取り上げ、岸田総理や河野大臣と議論してきました。引き続き、関心を持って取り組んでいきます。

2023年9月15日