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質問要旨

1 PFAS(有機フッ素化合物)規制について

2 秋本真利外務大臣政務官に係る問題について

3 安全保障(特に「反撃能力」)について
(1) 基本的な考え方
(2) 専守防衛と「反撃能力」行使
(3) 「反撃能力」行使の対象
(4) 相手国によるミサイル攻撃の「着手」
(5) 存立危機事態における「反撃能力」行使
(6) 政府の説明責任と情報開示

4 予算編成過程の公文書管理と情報公開について

○要求大臣等
財務大臣、官房長官、防衛大臣、環境大臣、秋本外務大臣政務官
○政府特別補佐人
法制局長官
○パネル  なし
○配付資料 あり

議事録

○本庄委員 立憲民主党、本庄知史です。
 千葉県第八区、柏市、我孫子市選出です。浜田先生、そして官房長官、同じ千葉でお世話になっております。よろしくお願いいたします。
 まず、昨日の源馬議員の御質問に続いて、PFASの問題についてお伺いをしたいと思います。有機フッ素化合物、PFAS。
 まず、環境大臣、このPFASの何が問題なのか、そして人体に及ぼす影響をどのように評価をしているのか、お答えをお願いいたします。

○西村(明)国務大臣 まず、今御指摘のありました有機フッ素化合物、PFAS、これにつきましては、今、人体への影響というお話がございましたが、現時点におきましてはその有害性についての知見が不十分でございまして、目標値や基準につきましても、国際的にも様々な科学的な議論が今行われているというふうに承知しております。
 一方、関係自治体や地元住民の皆様方から、PFASに関する不安や、また目標値や基準の検討等の対策を求める声が上がっておりまして、こうした状況を踏まえて、先月、二つの専門家会議を設置いたしたところでございます。
 引き続き、この専門家会議で議論を深めていただいて、その結果を基に、国民の皆様の安全、安心のための取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

○本庄委員 担当大臣としていかがなものでしょうか。
 事実関係で申し上げると、まず、これは今、条約それから法令で製造や使用が禁止をされています。そして、二〇二〇年に、暫定目標値ということで、水質管理ですけれども、PFASの一種、代表的なものであるPFOSそれからPFOAというこの二つを合わせて一リットル当たり五十ナノグラム以下にせよ、こういうことで、基準も、暫定ですが、設けられているわけですね。
 これはやはり、一定の人体に対する影響、これは発がん性があるというふうによく言われてはおりますけれども、そういうことを踏まえてこういう条約での禁止、あるいは水質管理での暫定の目標値、こういうことが定められているんじゃないでしょうか。これからゼロから検討しますというものではないと思いますが、いかがですか。

○西村(明)国務大臣 本庄委員御指摘のとおり、非常に、人体に影響があるかどうかということで、今、環境省としても、令和二年から要監視項目に指定しておりまして、要監視項目というのは、御承知のとおり、完全に影響があるという科学的知見が出た場合は環境基準によってしっかりとチェックするわけですけれども、その前段階の要監視項目に今入れている中で、ただ、そうした目標値等々は科学的知見がまだ米国やWHOを含めて確定していないということで、それを早急に、迅速に定めて、そして安全性を確認してまいりたいというふうに考えております。

○本庄委員 影響があるかないかではなくて、あるんだけれども、どのくらいの摂取だと影響が出るのか、こういう話じゃないかと思うんですね。基準の問題だと思います。
 今、実際、全国で調査をしていますと、かねて、米軍基地の周辺あるいは古い工場の周りが非常に数値が高い、こういう話がありました。近年でも、二〇二一年度ですけれども、全国千百三十八地点を調査をして、十三都道府県八十一地点の地下水などで暫定の数値を超えている、こういう状況です。
 加えて、配付資料の二ページ目を御覧をいただきたいんですが、これは東京新聞一月三十一日ですけれども、「八五%に「健康被害恐れ」」ということで、これはどういうことかというと、東京都の多摩地域の市民の方々が専門家と一緒になって血液濃度の検査をした。そうすると、アメリカの基準に照らせば八五%が基準値をオーバーしている、こういう状況が起きているということですね。これは実は、沖縄でも通常値の三倍ぐらいの数値が出ている、こういうふうに言われております。
 この状況について、環境大臣はどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。

○西村(明)国務大臣 今委員御指摘のように、非常に重要な課題だということで、ただ、予断を持って数字を決めたりということはできませんので、今、米国を含めて、先ほど申し上げたWHOも含めて、しっかりとした科学的知見をできるだけ早く確定して対応していかなければならないということで、専門家会議を立ち上げているところでございまして、ともかく迅速にやるというのが大前提でございます。

○本庄委員 迅速にということが非常に大事だと思います。
 配付資料の一ページ目、これは環境省の資料ですけれども、専門家会議の設置ということで、二つ設置されております。まだ一回ですか、二回ですか、やったばかりで、立ち上がりも遅いなと言わざるを得ないんですが、二つ。一つは水質、水の数値の専門家の会議、そしてもう一つが総合的な戦略の会議ということです。
 総合戦略と言い出すと、これは大きな風呂敷ですから、少し時間がかかると私は思うんですね。したがって、まずは、水質、ここの基準値が今暫定で五十ナノとなっているものが適切なのかというところを、早急に科学的な知見をもって答えを出すべきだと思うんですが、これはいつ頃結果を出せるんでしょうか。

○西村(明)国務大臣 できるだけ早くそれはやっていかなければならないと思っておりますけれども、水質の方の専門家会議につきましては、先ほどから申し上げているように、WHOや米国などの国際的な状況、また食品安全委員会における評価などもしっかりと加味しながら評価していかなければならない点もありますので、取りまとめの時期については、現時点では、水質に関しては、今ここで申し上げる状況にはございませんが、できるだけ急いでやるようにという話はしております。
 ちなみに、総合戦略の方は、これからこれも取り進めて、夏頃を目途に一定の取りまとめをしていただきたいとは考えております。

○本庄委員 水質の方は、この暫定の数値というのが、もう三年ほど暫定で来ているわけですね。急に始めたわけではありませんので、本当に一日でも早く、しっかりと暫定が取れたものを是非出していただきたいというふうに思います。
 実は、今日、環境省にPFASの予算がどのくらいついているかと問合せをしたんですが、先ほどになって、よく分からないと。分からないという意味は、いろいろな化学物質の関係予算の内数だ、そういう扱いなんですね。
 でも、どれだけ人の体に影響があるかというのが分からない、この恐ろしさをやはりもっと大臣は受け止めていただきたいんですね。ダイオキシンあるいはアスベスト、最初はそうでもないと思われたものが実は大変なことだったということは幾らでもあるわけで、是非これは危機感を持って取り組んでいただきたいとお願いをしたいと思います。
 同時に、官房長官、これはやはり、私、環境省だけで対応できる問題ではもはやないんじゃないかというふうに思います。昨日も、米軍との関係あるいは基地との関係ということで、外務省、防衛省との関係がありました。水という意味では、厚生労働省も関係をしております。食品という意味では、食品安全委員会。そして、もしこれが土壌まで行っていれば、農作物ということで農水省も関わってくるわけですね。
 これは環境省一省を中心とやるのではなくて、やはり官邸あるいは内閣官房できちっと横串で調整をして、リーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
 有機フッ素化合物の問題につきましては、その有害性などに関する科学的知見を収集、評価した上でリスク管理を徹底していくことが重要であり、関係省庁が緊密に連携しつつ取り組んでいるところであります。
 例えば、従来より、PFOS等を含有する泡消火薬剤の保管ですとか環境汚染防止などに関する技術上の基準を、環境省を始め関係省庁が共同で定めてきたところであります。また、現在、環境省と厚生労働省が合同で、科学的知見に基づく、今環境大臣の方から答弁がありましたけれども、水質の目標値等の検討を行っているところであります。
 このように、課題に応じて関係する省庁が緊密に連携し、政府一体となって有機フッ素化合物の問題に取り組んでいく考えであります。

○本庄委員 関係省庁緊密にというのはよくある言い方ですけれども、やはり、是非、官房長官、陣頭指揮を執っていただきたいと思います。
 これは、アメリカではホワイトハウスが中心になって今対応していまして、バイデン政権の最重要政策の一つになっているんですね。基準も、さっき日本が五十ナノと言いました。アメリカは七十でしたけれども、これを大幅に引き下げるという今方向を打ち出していて、これから議論して決める、こういう流れになっております。
 分からないから暫定でしばらく時間をかけるということではなくて、やはり、これは危機管理だ、そういう認識で是非官房長官はリーダーシップを取っていただきたいというふうに思います。答弁は結構ですので、是非よろしくお願いをいたします。
 PFASについては以上ですので、官房長官、そして環境大臣、ありがとうございました。
 次のテーマ、秋本外務大臣政務官の問題に移らせていただきたいと思います。
 昨日の源馬議員の本委員会での質疑について、自民党千葉県第九選挙区支部事務所、秋本さんの事務所が市街化調整区域に違法建築の状態で建っているということについて、何度も、事実関係を確認中だという御答弁がありました。その後、何か分かったことはありますでしょうか。

○秋本大臣政務官 引き続き、土地及び建物の貸主に事実関係を確認中であります。
 昨日の源馬委員とのやり取りの後、事務所の建物は、貸主が建てたものではなく、もちろん私が建てたわけでもございません、貸主も違法建築物であるという認識はないということが分かりました。もちろん私も認識はありません。
 お尋ねの、市街化調整区域にあることをいつ知ったかということでございますけれども、事務所の方でも更に確認を進めさせていただきました。事務所の建物が市街化調整区域に所在することを知った起点は依然明らかではありませんが、遅くとも二〇一七年八月には認知していたということでございます。

○本庄委員 一七年八月ということは、その後、衆議院選挙がまたあって、そこでプレハブを建てているわけですが、市街化調整区域で建築できないということを知りながら、どうしてまたプレハブを建ててしまったんですか。

○秋本大臣政務官 プレハブというのは、これは市街化区域内であっても区域外であっても、申請をした場合は建てることができます。
 プレハブの建築に際しましては、昨日も申し上げましたとおり、事務所から施工業者に依頼をいたしました。施工業者から建築確認の申請を千葉市に対して行ったため、事務所の関係者は申請書類を取り扱う立場にはございませんでした。
 一方で、プレハブにつきましては、今申し上げましたとおり、施工業者から千葉市に対して申請を行い、きちんと都市計画法上の申請及び建築確認の取得を済ませており、法律上は何ら問題がないものということでございます。

○本庄委員 二〇一七年八月に事務所の方が市街化調整区域であるということを把握をされた。プレハブは法令上建てられるとしても、元々あった事務所は違法状態にあるということが明らかになった。この段階で秋本さんには報告がなかったんですか。

○秋本大臣政務官 今委員の方から、建物が違法状態にあるではないかという指摘がございましたが、その点につきましては、今現在におきましても確認中でございまして、確定しているわけではございません。

○本庄委員 報告があったかどうか、お答えいただけていないんですが。

○秋本大臣政務官 大変申し訳ありません、報告というのは、具体的には。

○本庄委員 先ほど、二〇一七年八月に事務所として把握をした、遅くとも把握をしたというお話がありましたので、そのことについて秋本さんには報告はなかったんですかということです。つまり、事務所が建てられないかもしれない市街地調整区域なのだという報告はなかったのかということです。

○秋本大臣政務官 冒頭申し上げた認識という点は、事務所から報告が今、あったかどうかというふうに聞かれましたが、事務所の認識ではなく私自身の認識の話でございまして、二〇一七年八月時点に私自身が認知したということをここで答弁させていただいたということでございます。

○本庄委員 それはどうして知ったんですか。

○秋本大臣政務官 外部からの指摘があったからということでございます。
 この外部からの指摘について具体的にお話ししてもよろしいでしょうか。(本庄委員「手短に」と呼ぶ)
 よろしいということですので。具体的に、二〇一七年の八月にマスコミから、市街化調整区域なのではないか、あるいは、特別な理由がない限り建築物が建てられないのではないかといったような趣旨の指摘がございました。
 このため、同月中に当該建物に入っていた私の事務所を別の場所に仮移設しました。この件につきましては、千葉県の選管に確認していただければ確認が取れるはずであります。
 都市計画法上の申請及び建築確認の取得を行うべき建物の所有者、これは建物の所有者にその責務がありますので、事実関係の確認及び疑義の是正を私の方から、私の事務所の方から求めました。しかし、建物の所有者は、古くからある建築物なので法律上問題ないとの反応を示されました。
 さらに、建物の所有者以外の第三者、つまり私は第三者、借りている側でございますので、建築確認が取られていることを確認するのは困難であったため、貸主側が問題がないとおっしゃっていましたので、事務所を元の当該建物に戻したということでございます。それ以降、特段の御指摘等はなかったため、今回の報道が出るまで違法建築物との認識はなかったということでございます。

○本庄委員 そうしますと、今は何を確認中なんでしょうか。

○秋本大臣政務官 今は何を確認中だということでございますけれども、まずは、私からすると、貸主にどういうことだということを問い合わせなければならないわけであります。問い合わせた結果、先ほど来答弁したとおり、貸主側も違法建築物だという認識はなかったということでありますので、なぜかというと、私が建てたわけでもないし、貸主が建てた建物でもないわけであります。私に貸しているオーナー、大家さんも、買った建物なんですよね。しかも、直接建てた方から買ったわけではなくて、転売に転売が重ねられてきて、元々建てた人にたどり着くまでに相当何度か遡らなければならないということになっておりまして、元々の建てた建築主が誰で、一体いつ建てたのかということについてしっかりと調べないとということで、今、全てその流れを、一連の流れを全て確認をしているということでございます。

○本庄委員 秋本さんは国土交通大臣政務官もやられているわけで、最初の一七年八月の指摘を受けたときに、もっときちっとやはりお調べになるべきだったというふうに思います。
 今の確認中というもの、私、そんなに時間がかかる確認ではないと思いますので、速やかに確認をして、是非委員会の方にまた御説明をお願いしたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

○秋本大臣政務官 引き続き、土地及び建物の貸主に事実関係を確認をいたします、先ほど申し上げたとおり。
 確認をいたしますが、確認の結果を待つことなく、事務所を市街化調整区域外に可及的速やかに移設する方向で指示をいたしております。
 今回の報道で多くの皆様方をお騒がせしてしまったことを大変深く反省しているところでございます。今後このようなことが一切ないように、しっかりと注意して進めてまいりたいというふうに思っております。

○本庄委員 対応を速やかにしていただきたいですが、いずれにしても、確認すると国会でおっしゃったことについてはきちっと国会で報告していただきたいというふうに思います。理事会で御協議をお願いします。

○根本委員長 理事会で協議します。

○本庄委員 時間も限られていますので、もう一点の株取引の関係で、昨日、大臣の在任中には一切取引をしていなかったということですが、レノバ株以外に売却若しくは譲渡をしたと思われるものがありますが、具体的には、イビデン百株、オリエンタルランド二百株、エナリス三百株、日本テレビ百株、これらもいずれも政務官在任中ではないということを確認したいんですが、よろしくお願いいたします。

○秋本大臣政務官 委員御指摘の銘柄でございますけれども、私、国交省に取引をしていないという証明書を出しているんですよね。その証明書を見ても、その株式、動いていないんですよ。だから、どうして委員の方からこの銘柄を指摘されるのかというところについても私は分からないんですけれども。
 いずれにいたしましても、もちろんですけれども、この銘柄に限らず、全ての銘柄について国交大臣政務官時に取引は一切していないということを明言したいというふうに思います。

○本庄委員 そうであれば、日付が分かるものを、少なくともレノバについては、是非出された方がいいんじゃないかと私は思います。
 最後、もう一つだけ、秋本さんにお伺いします。
 昨日、レノバの関係者から献金などを受けたことはあるかと問われて、答えはノーでございますと、二回、ノーでございますとおっしゃいました。正確を期すため日本語で答えていただきたいんですが、レノバの関係者から献金を受けていないということでよろしいでしょうか。これはパーティー券も含めて御回答ください。

○秋本大臣政務官 献金は受けてございません。
 パーティー券につきましては、今まさに、通告なく、今本当に突然言われたので私も驚いてしまったんですけれども、通告もなかったものですから、調べてないというのが現実でございます。申し訳ございません。

○本庄委員 昨日も質問取りに外務省と国土交通省から合わせて十人ぐらい来られて、答弁体制は万全だったと思うんですが、寄附について聞かれるときは、普通、パーティー券についても答弁を用意しますけれどもね。では、また後日、是非教えてください。確認をお願いいたします。
 では、秋本さん、以上で。ありがとうございました。

○秋本大臣政務官 パーティー券についてですけれども、パーティー券というのは、御存じのとおり、一定金額以上購入された方というのは報告することになっていますよね。少なからず、そういった形で報告していなければならないという金額を買ってもらったということは、今の時点で記憶としてありません。
 さらに、昨日、源馬委員の方から、確認をして委員会に報告をするようにと言われたことがございました。それにつきましては、私が二〇二二年の二月に予算委員会の第七分科会で萩生田大臣に対して制度改正を迫った、それによって制度を改正した、その改正されたルールはレノバルールというふうに呼ばれている……(発言する者あり)レノバ方式というふうに呼ばれているということで、それで、私が、そのレノバルール、レノバ方式という形でルール改正をしたことによって、その後、レノバの株を売却をし莫大な利益を得たのではないかという指摘がございました。この事実関係について調べて報告しろというふうに言われております。
 このことについて確認をいたしましたけれども、まず、事実関係を申し上げますが、令和四年二月の予算委員会時点で、私は、当該レノバの株式を一株たりとも所有しておりません。このことは、直前に選挙がございましたから、資産報告書を見てもらえれば分かるというふうに思います。
 したがって、ルール改正時に当該株式を持っていませんから、売却するなんということができるはずがございません。そうであれば、ルール改正が利益誘導であったという指摘は、明らかに事実に反します。
 昨日、あたかも百万、一千万を超えるような多額の売却益、キャピタルゲインを得たというような誤解を招きかねない表現をされましたけれども、政務官就任前に四百株からスタートした一連のレノバ株に関連する株式の売買において、全ての取引で得た損益の合計額は到底そのような額には満たないということを報告したいというふうに思います。

○本庄委員 聞いていないことで時間を使わないでいただきたいですね。
 このルール改正の前に、レノバ株は大きく価格を下げております。入札に負けたからですね。そのことだけ最後に申し上げておきたいと思いますので。
 次の話題に……(発言する者あり)大事な話なので、次、安全保障でお願いします。(秋本大臣政務官「今、本庄委員から、その後株価が下がったとおっしゃっていますけれども、レノバ株の株価が下がったのは、第一ラウンドで取れなかったときでございまして、二〇二一年の十二月でございます。今私が話した……」と呼ぶ)

○根本委員長 外務大臣政務官秋本真利君、もう結構です。

○本庄委員 済みません、お待たせしました。
 それでは、安全保障について、特に反撃能力の問題についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず、配付資料ですが、最後のページですね。
 岸田総理は、五年で四十三兆円の防衛費、その根拠として、現実的なシミュレーションを行って、必要とされる防衛力の内容を積み上げ、規模を導き出した、このように御説明になっています。国会でも答弁をされています。
 それで、どんな現実的なシミュレーションがあるんだろうと思って、私、防衛省に問い合わせたら、出てきたのがこの紙一枚なんですね。これが防衛省の現実的なシミュレーションのエッセンスなんですか。十三ページですね。防衛大臣、お答えください。お願いします。

○浜田国務大臣 防衛省は、従来から、将来の防衛力の在り方を検討する過程で自衛隊の能力を評価するためのシミュレーションを行って、能力の不足等を検証しております。
 今般の国家安全保障戦略の策定に際しましても、相手の能力と新しい戦い方を踏まえて、想定される各種事態への対応について、戦力評価等を通じた分析を行ったところであります。
 例えば、侵攻部隊によるミサイル攻撃、戦闘機等による航空侵攻、艦艇部隊による海上侵攻といった状況を想定して、自衛隊がどのように対応するか検証することを通じた、我が国への侵攻に対処するために不十分な自衛隊の機能、能力の評価に加え、宇宙、サイバー、電磁波の領域や、無人アセットを用いた非対称な戦い方、ハイブリッド戦のような新たな戦闘様相などを踏まえた将来の防衛力の検討などの様々なシミュレーションを行いました。
 こうしたシミュレーションを通じまして、スタンドオフ防衛能力、弾薬等の整備や防衛装備品の可動数向上等の持続性、強靱性を始めとする防衛力の抜本的強化の七つの重視分野等を導き出したところであります。
 今後、新たな国家安全保障戦略等に基づいて、自衛隊が国民を守る責務を完遂し、国民の期待と信頼にしっかり応えられるよう、防衛力の抜本的強化の実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えているところであります。

○本庄委員 お答えいただけていないんですが、このいただいた紙一枚をなぞった程度の御説明ですけれども、これ、四十三兆円という巨額な税金の使い道の根拠となっているシミュレーションということですね、総理の御説明によれば。
 是非、こういう紙切れ一枚ではなくて、もちろん表に出せないものがいろいろあるのは理解しますが、もうちょっときちっとした説明資料として、是非この予算委員会に出していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○浜田国務大臣 今私がお答えしたことが一応我々のシミュレーションに対してのお答えでございますので、それで御理解いただければと思います。

○本庄委員 理解できませんので、理事会で御協議をお願いします、資料の提出についてですね、このシミュレーションの。

○根本委員長 では、それを含めて、理事会で協議します。

○本庄委員 それでは、専守防衛と反撃能力行使について防衛大臣にお伺いをいたします。
 この反撃能力は、日本に対する直接の武力行使がなされ、これに対する反撃を行う場合ですけれども、この相手国領域に対するミサイルによる反撃ですけれども、反撃の対象というのは、ミサイルの基地、あるいはミサイルの発射源に限られているんでしょうか。それ以外の場所も想定されているんでしょうか。

○浜田国務大臣 基本的に、この一九五六年の政府見解に言う誘導弾等の基地とは、必要最小限度の措置を例示して述べられたものであります。
 反撃能力の行使対象については、攻撃を厳格に軍事目標に対するものに限定するといった国際法の遵守を当然の前提とした上で、ミサイル攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置の対象を個別具体的な状況に照らして判断していくものであります。

○本庄委員 そうすると、ミサイルの発射源以外も標的になり得る、こういう理解でよろしいですか。

○浜田国務大臣 繰り返しになりますけれども、反撃能力の行使対象については、攻撃を厳格に軍事目標に対するものに限定するといった国際法の遵守を当然の前提とした上で、ミサイル攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置の対象を個別具体的な状況に照らして判断していくものだと思います。

○本庄委員 そうすると、個別具体的に照らしてやむを得ない事情があれば、発射源以外も標的にはなり得る、こういうお考えだということですね。
 もう一つお伺いをしたいんですが、この反撃能力の行使の場所なんですけれども、これは日本側は、日本の領域あるいは公海上からの反撃、ミサイル攻撃ということに限定をされているんでしょうか。それとも、相手の領土や領海に入ってまでも攻撃をできるということをお考えになっているんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

○浜田国務大臣 今般、政府としては、スタンドオフ防衛能力等の自衛隊の能力を活用して反撃能力を保有することといたしました。
 長射程のスタンドオフミサイルにより自衛隊員の安全を確保しつつ遠方から対処できるという選択肢がある中においては、現実の問題として、相手国の領域内という自衛隊員にとっては危険な範囲の外から、すなわち相手国の領域外から対処することが基本になると考えます。

○本庄委員 基本だということは、そうではない場合もあり得るということでしょうか。

○浜田国務大臣 政府は、従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、一般の自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないが、仮に他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としてはそのような行動を取ることが許されないわけではないと説明してきており、この考え方に変更はありません。
 その上で、現実の問題としては、長射程のスタンドオフミサイルにより自衛隊員の安全を確保しつつ遠方から対処できるという選択肢がある中においては、相手国の領域内という自衛隊員にとって危険な範囲の外、すなわち相手国の領域外から対処することが基本となると考えております。

○本庄委員 私ども立憲民主党も、今の我が国が置かれている安全保障環境、それから周辺国のミサイル能力の急激な向上、こういったことについては十分認識をしております。したがって、ミサイルの長射程化、あるいはその能力の向上ということは十分議論に値する、こういう前提で議論はしております。
 ただ、他国の領土、領海、領空、ここに入ってまでも反撃能力を行使するということがあり得るんだとすれば、ここはやはり、大臣、これは政策として明確に否定をされておいた方がいいんじゃないでしょうか。

○浜田国務大臣 反撃能力は防衛出動時に無条件で行使されるものではなく、武力攻撃を受け、さらに、自衛のため万やむを得ないと認められない限り行使されません。仮に万やむを得ず反撃能力を行使する場合であっても、必要最小限の行使にとどまるものであると考えます。

○本庄委員 内閣法制局長官にも今日来ていただいておりますが、自衛隊の海外派兵の禁止、海外における武力行使の禁止ということは、憲法九条の根幹に関わる部分で、最もゆるがせにできない部分だというふうに思います。
 反撃能力はその例外的なものだというふうに理解をしますが、今の防衛大臣の御説明だと、状況によっては他国の領域内での反撃能力行使もあり得るということですが、法制局長官、これは、法制局としては従来の憲法解釈の枠内だということなんでしょうか。そうであれば、それが海外派兵禁止の例外になる理由についてお答えください。

○近藤政府特別補佐人 お答えをいたします。
 今委員が御指摘のように、従来から、いわゆる海外派兵については、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないとお答えをしてきておりまして、その上で、他国の領域における武力行動で武力の行使の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としてはそのような行動を取ることが許されないわけではないとお答えしてきているところでございまして、反撃能力の行使の問題についても同じ枠組みの中で判断されるべきものだと思います。法理上はそういうことになろうかと思います。

○本庄委員 では、海外派兵にも例外があって、要件を満たせば自衛隊が他国の領土、領海、領空にて武力を行使することは可能だ、こういうことでよろしいですか。確認させてください。

○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 反撃能力について、具体的に海外派兵を伴うようなものが必要なのかどうかというところは、私ども、ちょっと判断をしかねますので、それがあるとかないとかいうことは申し上げられませんが、例えば、安保法制の議論があったときに、機雷の掃海のときに例外的に他国の領海に自衛隊を派遣して掃海をする、いわゆる観念上は海外派兵的に当たるんですけれども、それは例外的に認められるという答弁を当時し、事例としてたしか御紹介したことがあったと思います。

○本庄委員 その答弁、私も記憶をしておりますが、安保法制のときの安倍総理の答弁だというふうに思うんですね。そして、そのときの安倍総理は、領域外での武力行使に該当する行動としては掃海が唯一だ、例外は考えていない、このように答弁をされておりました。

 防衛大臣、いかがでしょうか。この安倍元総理の当時の答弁を否定されるということですか。

○浜田国務大臣 これは、我々にすると、今、先ほど答弁したとおりでございまして、我々はあくまでもこの考え方を踏襲しつつ今までお答えをしてきているところでありますので、我々とすれば、この考え方に変更はありません。

○本庄委員 よく確認していただきたいと思います。安倍総理も、憲法上できないと言ったのではなくて、政府として、それ以外の海外での活動を考えていない、ホルムズが唯一の例外だ、こういう趣旨で答弁をされたんじゃないかと思うんですね。是非、これはまた今後議論させていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、今のちょっと関連で確認をさせていただきたいんですが、三十一日のこの委員会で玄葉議員がいろいろと質問をした際に、これは総理の答弁で、戦闘機あるいは艦船から攻撃を受けた場合に、その戦闘機の空港あるいは艦船の港湾基地、ここにミサイルを撃つ、そういう形での反撃ということも排除されないというような趣旨の答弁をされたと思うんですが、この点について確認させてください。

○浜田国務大臣 岸田総理は、反撃能力を含む我が国の武力行使は、武力の行使の三要件を厳密に適用しなければならず、他の手段がない、そしてまた必要最小限の自衛の措置を個別具体的な状況に即して判断すべきものと考えていることを述べられました。また、本当に反撃能力、これしか手段がないのか、これを厳密に考えた上で現実に対応しなければならないと述べているところであります。

○本庄委員 この議論、従来からありますけれども、これまでの答弁は、他国による武力攻撃を排除をする、航空機であれば、追い払うあるいは撃墜するというようなことを想定していたと思うんですね。
 今回、部隊ではなくてミサイルという手段になったので、他国にまで要は追撃をしていって攻撃をするということがより容易になっているわけです。やはりここは従来の考え方よりも更に慎重な、抑制的な考えを取らないと、自衛隊そのものが、派兵をして、追いかけていって、上陸をするというようなものとは全く状況が違うと思うんですね。そこは是非、防衛省の方でも運用の際によく考えていただきたいというふうに思いますし、もし今のような、他国の港湾やあるいは空港まで反撃して、追撃的に反撃できるんだ、こういうことになれば、これはまた反撃能力の趣旨が私は少し変わってくると思うんですね。
 お配りしたものに、反撃能力について、三ページですね、資料ですが、国家安全保障戦略がありますが、ここに書かれていることは、パラでいうと三パラですけれども、二つの目的が書いてあります。一つは、武力攻撃を抑止するということですね。この点については理解をする人も多いかと思うんです。そして、もう一つ言っていることは、反撃というのは更なる武力攻撃を防ぐためだということだと思うんですね。したがって、他国の領域まで追撃をして、反撃ミサイルを撃ち込むというようなことまで果たして想定されているのかというと、私は非常に、この戦略の文言を見る限り、疑問に感じています。この点については、また引き続き議論させていただきたいというふうに思っています。
 時間がありません。着手についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 今のちょっと続きになりますけれども、政府は、反撃能力について、武力行使の三要件を満たして初めて行使をされる、武力攻撃が発生していない段階で自ら先に攻撃をする先制攻撃は許されない、こういうふうに言っていて、この戦略の中にも書かれています。
 他方で、従来から、三要件の武力攻撃の発生については、着手という概念で、現に発生はしていないけれども発生したものとみなして防衛出動をしたり武力行使をするということは可能だ、こういう解釈を取ってきたと思うんですが、ミサイル攻撃に対する着手というのは一体どういうことを考えていらっしゃるんでしょうか。何をもって着手だというふうに考えるんでしょうか。

○浜田国務大臣 政府は従来から、どの時点で武力攻撃の着手があったと見るべきかについては、その時点の国際情勢、攻撃国の明示された意図、攻撃の手段、態様等によるものであり、個別具体的な状況に即して判断すべきものと考えてきております。
 このため、我が国がミサイル攻撃を受ける場合に、攻撃国のいかなる活動がミサイル攻撃の着手と判断されるかについても、今申し上げた考え方に沿って、個別具体的な状況に即して判断するものであり、一概にお答えすることは困難だと思います。

○本庄委員 建前論はそうなんでしょうが、現実には、ミサイル発射というのは、列車あるいは移動車両あるいは潜水艦というようなところから発射が想定をされる。あるいは、その後、移動してしまって、反撃しようにも目標物がもうそこにはない、場合によっては、どこから撃ったかもよく分からない、こういうこともいろいろ考えられるわけですね。
 そう考えますと、実際上、ミサイル攻撃において着手という概念を持ち出すということは相当困難じゃないかと私は思うんですね。したがって、この着手の概念を、ミサイル攻撃においては適用するというのは私は望ましくない、適切ではないというふうに思いますが、最後に御答弁をお願いします。

○根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

○浜田国務大臣 御指摘の反撃能力の行使に関して、現実の問題として、相手側のミサイルの発射、特に第一撃を事前に察知し、その攻撃を阻止することは難しくなってきていることは事実であります。こうした状況も踏まえて、国家安全保障戦略においても、ミサイル防衛網によって、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力を保有すると記載したところであります。
 その上で、具体的な対応について更に明らかにすることは、我が国の手のうちを明らかにすることから、安全保障上控えるべきと考えております。
 いずれにせよ、反撃能力は憲法、国際法、国内法の範囲内で運用されるものであり、専守防衛の考え方を堅持していきたいと思っております。

○本庄委員 ありがとうございました。