国会質問アーカイブ

3/30 内閣委員会(経済安全保障推進法案②)

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質問要旨

1.総 論

 ○「経済安全保障」と「安全保障」

 ○基本方針と5つの基本指針

 ○外為法と韓国に対する輸出規制措置(2019年7月)

 

2.サプライチェーンの強靭化

 ○昨今の半導体不足について

 ○特定重要物資の4要件

 ○既存の備蓄制度等との関係

 

( 要求大臣等 経済安保担当大臣、経済産業大臣 )

議事録

○上野委員長 次に、本庄知史君。
○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 大臣も事務方の皆さんも連日お疲れさまです。前回の質疑も踏まえて、今日も質問させていただきたいというふうに思っています。
 まず、先週二十三日の質疑で、経済安全保障の定義について議論させていただきました。その際に、政府の考え方、御答弁はあったんですけれども、文書で出してくださいというふうにお願いをさせていただきました。そのほか何点か文書での提出をお願いしておりますが、現時点でまだ出てきていないというふうに承知をしておりますので、是非、理事会で協議をいただいて、しっかりと提出をお願いしたいと思いますので、委員長、よろしくお願いいたします。
○上野委員長 理事会で協議します。
○本庄委員 その上で、質問に入らせていただきたいと思います。
 大臣、先週の御答弁の中で、この定義に関して、分かりやすく言えば国家国民の安全を経済面から確保することというふうに、分かりやすく言えばという前提ですけれども、おっしゃいました。国家国民の安全ですね。他方で、ほかの委員の答弁の中では、国益、国益を経済的手段や経済面から確保していく、こういう答弁もあったんですね。
 国家国民の安全と国益というのは、私はもちろん相反するものだとは思っておりませんが、範囲といいますか大きさといいますか、大分違うなというふうに思うんですね。安全という部分に限定をして、あるいはそこを主目的として政策を打つ場合と、国益という、より広い射程で政策を打つ場合と、おのずと考え方、やり方、やることは変わってくるんじゃないかなというふうに理解をいたします。
 この点について、まず大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○小林国務大臣 お答え申し上げます。
 先日、委員に、ほかの委員も含めてお答え申し上げたのは、定義ということですので、今特段、決まった、確立した定義はないということを、あえて国民の皆様に分かりやすく、私の基本的な考え方、理念というものを申し上げました。
 今、国家国民の安全そして国益という二つの言い方をさせていただいたんですけれども、より正確に申し上げると、これも申し上げているんですけれども、国益を経済面から確保すること。国益というのは、もう既に審議で何回か述べましたが、今の国家安保戦略には三つあって、なかんずく、まず一つ目の国益としては、国の、国家の主権、独立、国民の生命、身体、財産を守ること、これが一つあって、二つ目は、経済的な繁栄を実現すること、三つ目として、基本的な価値に基づいた秩序、ルールを擁護し強化していくこと。その中でも、今冒頭申し上げた、なかんずく、一つ目に申し上げた国益、これが国家国民の安全というふうに申し上げているわけであります。
○本庄委員 そうすると、正確を期してもし御説明をいただくとすれば、国益、とりわけ国家国民の安全、こういう整理になるということですね。是非書面で、一度整理したものをお願いしたいと思います。
 その上で、次の問い、関連ですが、大臣はこういうふうにもおっしゃったんですね。経済安全保障は多岐にわたる新しい課題だ、これはほかの委員にも何度も答弁をされていますけれども、主要国において確立したものがあるわけではないと。経済安全保障の定義ですね。
 確かに経済安全保障という概念はそうかもしれません。では、安全保障という概念はどうなんでしょう。経済安全保障じゃなくて安全保障ですね。
 これは古くからある概念じゃないかというふうに私は思いますし、今回の法律の中でも、安全保障の確保という表現が何度も出てきます。安全の保障でも安全の確保でもなく、安全保障の確保、こういう言い方ですね。したがって、安全保障の定義が分かればもう少し私はこの経済安全保障の定義も見えてくるんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、安全保障について、定義、どのようにお考えでしょうか。
○小林国務大臣 お答え申し上げます。
 法律上、安全保障の明確な定義があるかというのは別として、一般論として申し上げますと、外部からの侵略等の脅威に対して国家及び国民の安全を保障することを意味するとされているものと理解しております。
○本庄委員 ありがとうございます。
 最初に申し上げたとおり、やはり基本的なことを本来であれば法律に書くべきだと思いますが、諸事情があって書いてない、例えばこの定義ですね。という中で、やはり私は、文書、書面でしっかりと委員会に、答弁だけではなくて、お願いをしたいということを申し上げたいと思います。
 その上で、次の質問に行きたいんですが、基本方針それから基本指針についてです。
 これについても、前回の委員会の中で、私からは基本方針の骨格を御説明お願いしたいということで、御説明はありました。私はその御説明を多としておりますが、これも文書でとそのとき申し上げたと思うんですけれども、そのときおっしゃったことで、例えば、政策の必要性と考え方、規制が経済活動の自由を不当に阻害することがないようにすること、国際法の遵守、事業者等の自主性の尊重、企業の責任ある行動の促進など、これは、第一号の、経済安保の基本的な事項というところで、どういうことを書くかという説明があったんですね。
 私、こういうぐらいのことはやはり法律で、例えば基本理念とかそういった形でもいいと思うんですが、やはり法律にしっかり書くべきだったんじゃないかというふうに議事録を見て改めて感じたんですが、大臣、いかがでしょうか。
○小林国務大臣 今委員がおっしゃっていただいたことは、先般私が答弁申し上げたとおり、閣議決定する基本方針の骨格として位置づけていこうと考えております。
 法律の中に何をどれだけ盛り込むかというのはいろいろな考え方があると思っておりまして、今回、我々としては、四つの項目を一つにまとめていくということで、いろいろ考えましたけれども、今回、基本方針を定めた上で四つの項目についてそれぞれ指針を定めていく、そういうようなアプローチを取らせていただいたということであります。
○本庄委員 前回の委員会、前回というか過去二回の委員会の中で、基本方針の骨格、それから基本指針の中で二つ御説明いただけたと私は理解しております。すなわち、第六条の安定供給確保基本指針、それから第四十九条の特定社会基盤役務基本指針、この二つの概略については、私の質問と公明党の國重委員の質問の中で御答弁があったと思います、議事録にも残った。これも文書でと思いますが。
 残りの二つの基本指針ですね。まず第六十条、特定重要技術研究開発基本指針、これについての、指針の内容について、どういったことを書いていくおつもりか、概略を是非御答弁お願いします。
○小林国務大臣 お答え申し上げます。
 第六十条第二項の各号に掲げる事項につきましては、今委員おっしゃった特定重要技術研究開発基本指針として定めるものが列記されております。
 その中で、より具体的に申し上げますと、第一号としましては、特定重要技術の研究開発の促進等に関する基本的な方向に関する事項として、制度趣旨を示しつつ、特定重要技術について一定の具体化を図るほか、第二号、これは協議会の組織に関する基本的な事項でございますが、協議会設置の際の考え方や、情報提供あるいは情報管理などの運営方法などを示すことが考えられます。第三号、指定基金の指定に関する基本的な事項として、指定に当たっての考え方などを示して、そして、第四号、調査研究の実施に関する基本的な事項といたしましては、シンクタンクへの委託を含む調査研究の方向性などを示すことを想定しております。また、第五号、特定重要技術の研究開発の促進等に当たって配慮すべき事項といたしましては、政府全体の戦略、各施策との連携などを示すほか、第六号、所要事項といたしまして、特定重要技術の研究開発等に係る人材の養成等に関する考え方を示すことを想定しているところでございます。
○本庄委員 ありがとうございます。
 では、基本指針の四分野の四つ目、特許出願非公開基本指針、第六十五条、こちらについても是非お願いいたします。
○小林国務大臣 特許出願非公開基本指針につきましては、第六十五条第二項の各号に掲げる事項を定めております。
 具体的に申し上げますと、第一号、基本的な方向に関する事項といたしましては、経済活動やイノベーションと両立する形で適切に制度が運用されることの重要性などを定めることを想定しています。
 第二号の、次条第一項の規定に基づき政令で定める技術の分野に関する基本的な事項とあるんですが、例えば、対象を我が国の安全保障上極めて機微な発明に限定することですとか、六十六条一項本文に、政令で定める要件とあるんですけれども、その考え方などを定めることを想定しているところでございます。
 また、第三号として、保全指定に関する手続の在り方に関する事項とありますが、例えば、保全審査、保全指定の延長、解除などの手続における出願人とのコミュニケーションなどの留意事項などを定めるとともに、第四号の、その他必要な事項とあるんですけれども、例えば損失補償に関する事項などを定めることを想定しているところでございます。
○本庄委員 御答弁ありがとうございます。非常に重要な御答弁だと思います。
 法律の中身、それから基本方針の骨格、それから基本指針の概略、これがそろってこないと中身のある審議ができないなというふうに私はずっと思っておりましたので、今日この段階でようやくそれがそろったということだと思いますので、今日の答弁も踏まえて更に議論を深めたいなというふうに思います。とてもメモし切れませんので、私、本来であれば与党の持ち時間の中でこういう基本的なことを是非政府に聞いてもらいたかったんですが、そういった機会が國重委員以外なかったものですから、改めて、この場をかりて確認させていただきました。ありがとうございます。
 次の質問に移りたいと思うんですが、外為法との関係で、これは経済産業省にも来ていただいております。大変御無沙汰しております。
 小林大臣は、前回の質疑の中で、第五条の留意事項のことを私がお尋ねしたときに、自由な経済活動との両立を図る観点から規制を必要最小限度とするよう努めることは当然であると前置きをした上で、国際情勢の変化などに伴う安全保障上のリスクというのは変動し、予測し難い側面もあることから、あらかじめ一律に必要最小限度とは規定せず、あえて、合理的に必要と認められる限度と規定しました、こういう答弁がありました。
 その上で、経済産業省に外為法の関係でお伺いをしたいんですが、外為法、外国為替及び外国貿易法には、三か所、必要最小限という規定が出てまいります。第一条の目的、必要最小限の管理又は調整を行う。第四十七条、輸出の原則、最少限度の制限の下に許容される。そして、許可等の条件、第六十七条、必要最小限のものでなければならない。こういうことなんですが、この必要最小限の趣旨について、御説明お願いできますか。
○風木政府参考人 お答えいたします。
 本庄委員御指摘のとおり、外為法に、基本的に、必要最小限の管理又は調整という言葉が出てきます。これは、外為法第一条がございまして、ここで、対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対して必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期すとともに、我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とします。
 これは一部の引用でございますが、こうした中での文脈での必要最小限ということで規定されているものと承知しております。
○本庄委員 この外為法も、広い意味では経済安全保障法制の一部だというふうに私は理解しておりますが、やはり、自由な経済活動、自由で開かれた経済、それを大前提として、その上でいかに安全を確保していくかという中で、やはり規制は必要最小限度であるべきだろう、こういう発想なんだろうと思います。
 そこで、経済産業省、もう一つお伺いしますが、合理的な範囲という表現ではなくて必要限度となっておりますが、この外為法執行に当たって何か支障はありますか。
○風木政府参考人 お答えいたします。
 支障があるか否かというのは、どういう判断基準に基づいて行われるかということなので、直接のお答えは差し控えますが、私ども、例えば、外為法第四十八条第一項で安全保障貿易管理を行っているわけですが、これは、まさに国際的な平和及び安全の維持の観点から軍事転用が可能な機微技術等の輸出について厳格な管理を行っているということなので、こうした執行はしっかり行っているところでございます。
○本庄委員 ありがとうございます。
 恐らく、必要最小限度という規定で何か支障があれば、法改正がなされて、合理的なというようなことだとか、規定が変えられるんだろうと思うんですが、そういうことが具体的に課題になったことはないと私は思うんですね。やはり、この必要最小限度という枠の中でできることをしっかりやっていくということで足りるのではないかと私は思いますし、我が立憲民主党としても、経済活動の自由、こういったところにより力点を置くと、合理的な範囲という今回の法律の書き方は、やや、やはり裁量権が広いのではないか、こういうふうに考えます。
 是非、引き続き御検討いただきたいと思います。我々も何らかの形で具体的に提案をしたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと日韓関係の話は今回は飛ばしまして、次の質問に移りたいと思うんですが、特定重要物資の安定的な供給確保、サプライチェーンのところなんですけれども、まず、経済産業省。
 済みません、その前に大臣にお伺いしたいんですが、さきの質疑の中で、特定重要物資の四要件、こういうふうにおっしゃいました。
 これは法律に書いてあることなので、あえて四要件という表現を使われたのは私は新しい御答弁だと思ってお伺いしたんですが、第一要件が、国民の生存に必要不可欠若しくは広く国民生活、経済活動が依拠している重要な物資又は原材料。第二要件、外部に過度に依存し又は依存するおそれがある。この第二要件については前回も少し議論させていただきました。第三要件、外部から行われる行為によって国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止する必要がある、これが第三。第四が、安定供給を図ることが特に必要だ。
 この四つの要件の中で絞り込んでいくということですが、議論でも一度出ていましたが、確認しますけれども、第三要件、外部から行われる行為、これはどういった主体によるどういった行為を想定をされているのか、そして、国際紛争とか大規模災害、こういったものは含まれないという理解でいいのか、御答弁をお願いします。
○小林国務大臣 これは、主体として想定されるのは外国政府等ということでございます。
 また、今災害の話が出ましたけれども、法文上は、災害そのものが、直接、外部からの脅威というふうに読むことは難しいと思います。ただし、例えば、何か大規模な災害があって、その結果として、それを契機として外部の主体が何らかの行動を取るということは当然想定され得る話ですので、その点についてはこの法案でも読み込んでいけると考えております。
○本庄委員 私、なぜこういうことを聞いているかというと、政府の裁量を狭めるべきだという立場に立ちながら議論をしてきているものの、この四要件に合致する物資というのは、相当絞られ過ぎてしまって使い勝手が悪いんじゃないかと思いながら見ているんですね。
 外部から行われる行為、意図を持って、ある政府がそういうことをするとしても、それはもちろん、ないとは言いません、あると思います。でも、かなり限定されたケースではないかというふうに思うんですね。むしろほかのリスクの方がはるかに多くて、災害もそうだし、国際紛争もそうだし、そういったときに、この四要件に当てはまらないということで物資の指定ができないということになると、実は非常に使いづらい法律になってしまうんじゃないか、そういう問題意識を持っています。
 その上で、経済産業省にお尋ねしたいんですが、昨今の半導体不足についてです。
 今の状況、特に、世界における日本の半導体のシェア、それから、今起きているこの供給不足の原因、この辺りについて端的に御説明をお願いします。
○門松政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、半導体の輸入割合ですが、我が国の海外からの半導体輸入割合、延長産業連関表によれば、二〇一八年時点で七九%でございます。
 そのような中で、半導体不足の課題でございますが、デジタル化の急速な進展により半導体需要が急増する一方で、東南アジアを始め各国の半導体製造拠点において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う工場稼働抑制、こういったもので供給制約が生じて、世界的な半導体不足が発生をしたというふうに承知をしております。
 具体的には、二〇一九年比で二〇二一年の世界の半導体需要は二〇%増加をしておりますが、供給能力は八%の増加にとどまっております。実際に半導体不足が顕在化した二〇二〇年第四・四半期以降、ファウンドリーの工場稼働率が世界全体で約九五%と極めて高水準となっており、こうした需給ギャップを反映しているというふうに承知をしております。
○本庄委員 今回、指定物資の候補の一つだと言われている半導体ですけれども、この半導体の事例だけを見ても、外部から行われる行為ということはないけれども、市場の状況とかあるいは感染症の拡大とか、そういった要因をもって供給不足ということが発生をしている。つまり、途絶のリスクということが生じかねない状況になっているわけですね。
 したがって、私はやはり、外部からという縛りがかかることは、法律上、かなり不備なのではないかなと。例えば例示として入っているならいいです。ただ、要件だとなると、それが必須ですから、なかなか使い勝手が悪いんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○小林国務大臣 これまでも委員にも御説明申し上げているとおり、まずは、経済安全保障という概念自体は広く取っています。今回の法律のたてつけとしては、やはりその中でも、最近、外部からの脅威というものが高まってきている、その背景を踏まえて、特に喫緊の手当てを要するものということで、四項目、措置をさせていただくわけです。
 したがって、先ほど申し上げたことと少し重なるんですけれども、当然、委員の問題意識は私も共有しておりまして、自然災害が起こったらどうなのか、感染症が起こったらどうなのか、当然、このサプライチェーンの話に跳ねてくるということは十分考えられます。
 ただ、法文上はそれを直接の対象とはしませんが、要件とはしませんが、当然そういうことも視野に入れた上で、その上で、外国政府の行動によって我が国の例えば安定供給に支障が生じるのであれば、当然そういうところを見ていくということでございますので、そうした理解をしていただければと思います。
 それと、もちろん、我が国に財政的な余裕もあって、全ての物資について何でもやるよということがあれば、それはそれで、それにこしたことはないと思いますが、様々な制約がある中で、やはり優先順位はつけていかなければならない。また、その時代の状況に応じて優先順位も変わってくると思うんです。その中で、やはり本当に優先順位が高い、国民の生命に不可欠なもの、あるいは広く経済活動が依拠しているものなどに絞った上でまずはやっていくということがアプローチの仕方として適切ではないかと考えています。
○本庄委員 大臣の御答弁のとおりです。
 ただ、私が今取り上げたのは半導体ですね。骨太方針にも書かれていて、今回の指定物資の最有力候補と言われている半導体ですら、本当に適用可能なのかという状況だということを申し上げているんです。お願いします。
○小林国務大臣 具体論として申し上げたいと思います。
 もう何度も申し上げているとおり、この特定重要物資の指定に当たっては、四つの要件、これは具体的に何が当てはまるのかというのは現時点ではちょっと予断を持って語ることはできないんですけれども、ただ、イメージを持って御審議いただくためにあえて例を挙げて申し上げますと、例えば、半導体の中でも、パワー半導体があります。この四つの要件に具体的に照らして考えてみました。
 まず、電力系統などで使用されることでグリーン社会の実現を支えて、今後ますます需要が伸びていくことが見込まれる物資でございます。また、産業用機械、電動車などの高電圧で動作する機器で使用されて、社会のデジタル化が進む中で様々な産業、製品に組み込まれておりまして、その意味では、広く経済活動が依拠しているという要件に該当し得ると考えます。
 二つ目、次に、現在は世界のシェアの約三割を日本が占めているんですけれども、国内への供給能力はあります、しかし、近年、各国が研究開発そして積極的な投資を行っておりますので、国際シェアが低下してきています。我が国が何ら措置を講じない場合、過度に依存するおそれがあるとの、この二つ目の要件には該当し得ると考えます。
 三つ目、今委員から御指摘があった、その際、供給途絶によって国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止する必要につきましては、当然、そういう状況になれば、必要があると判断されると考えます。
 四つ目として、安定供給確保を図ることが特に必要と認められるときというのは、すなわち、ほかの法令や施策によって安定供給確保の措置が講じられていない場合には、このパワー半導体が特定重要物資として指定され得るというふうに考えております。
 ただし、今後どういう形で指定することが半導体のサプライチェーン強靱化の観点から有効であるかどうかというのは、物資それぞれの重要性ですとか海外の依存状況などを考慮しながら、戦略的に判断してまいりたいと考えます。
○本庄委員 私が言うのも変ですけれども、外部から行われる行為等により国家国民の安全が損なわれるとか、そういう、少し間口を広げておいた方が私は使い勝手がいい法律になると思うし、逆に、使えない法律だと行政府の解釈が大きくなって、危ない法律になりかねないという心配もしているということを申し添えておきたいと思います。
 御答弁ありますか。
○小林国務大臣 ありがとうございます。
 そこは、委員の御指摘も踏まえて、できる限り裁量というものがないように、指針とかを含めて、有識者の方も含めて、またパブリックコメントにかけて、客観性は保っていきたいと思います。その点については御理解をいただければと思います。
○本庄委員 残り時間が少ないので、既存の制度との関係について、これは一般論で結構ですから、ちょっと確認をしておきたいんですね。
 既に備蓄などの制度、今回の法律でやろうとしているようなことが先行してやれている品目というものがあります。
 例えば、石油あるいは鉱物資源、こういったものは備蓄法があって、一定量を備蓄するというようなことが規定をされておりますけれども、こういった既に既存の備蓄制度などを持っている物資と、今回の法律で指定されるかもしれない物資あるいはこの制度は、両立するものなんですか。それとも、例えば石油が特定物資に指定されたときにどの制度で動かすことになるのか、あるいは権限は両方の権限になるのか、ちょっとその辺の整理を、私もつかないもので、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○小林国務大臣 委員御指摘のとおり、例えば、米、小麦、石油、レアメタル、あるいは抗インフルエンザウイルス薬やインフルエンザワクチン、こうしたものについては備蓄を行っています。これらの物資の備蓄というのは、過去の事例なども踏まえて、既存の関連法令などに基づいて行っているものです。
 一方、この法案というものは、国民にとって必要不可欠なものを平時から安定供給確保を図るための枠組みとして、業種横断的に、いわゆるキャッチオールで措置するものです。
 この法案においての安定供給確保を図るに当たっては、民間事業者の多様な取組に対する支援を通じてこの確保を図っていくことを基本として、民間事業者に対する支援措置では安定供給確保が困難である場合に、国が自ら備蓄などの安定供給確保のための措置を講じるスキームとしています。
 当然ながら、既存の法令などに基づき既に備蓄を行っている物資については、この法案に基づいて別途備蓄を行うことは基本的には想定していないところであります。
○本庄委員 そうしますと、石油等々の既存の制度を持ち合わせているものも、まず指定の対象から排除はされていないということはよろしいですか。
○小林国務大臣 これは先ほど申し上げたとおり、キャッチオールのものですので、特段何かを排除するものではありません。
○本庄委員 分かりました。
 そうしますと、今おっしゃった第四十四条、備蓄その他の安定確保のために、これは安定確保、備蓄だけじゃなくて、必要な措置と書かれていますので、アドオンする追加的な措置も、場合によっては、例えば備蓄法ではない、こっちの法律に基づいてやる、今回の経済安全保障に基づいてやるというようなことも可能になるのかなと思います。
 例えば、価格の問題なんかも、騰貴した場合に一定の価格以下で売り渡したりするというようなことも今回の法律に基づけばできるようになるわけですけれども、そういったことも、既存の備蓄を持っている制度であっても適用可能だ、こういう理解でよろしいでしょうか。
○小林国務大臣 例えば、石油につきましては国家備蓄を実施しておりまして、既に安定供給確保のための施策が講じられております。そのため、この法案により更なる安定供給確保のための措置の必要性を認める場合でなければ、石油を特定重要物資として指定することはありませんし、また、その場合、本法案に基づいて石油を備蓄放出することも想定されないところであります。
○本庄委員 時間が来ましたので終わりますけれども、私も、議員になる前、秘書をやっていたときに、社会保障一体改革、二百十五時間審議がありまして死ぬ思いでしたけれども、それから見ればまだまだ二合目ぐらいかなと思いますので、引き続き、是非御議論をよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。