国会かわら版Vol.53 「補正予算組み替え」
12月9日の予算委員会で、高市総理と今国会2度目の論戦に臨みました。テーマは補正予算案。18.3兆円、減税を含めると21.3兆円の超大型補正です。
■本当に「責任ある積極財政」と言えるのか
今回の18.3兆円の補正予算は、11.7兆円を国債発行で賄うとしています。高市総理は「責任ある積極財政」を掲げていますが、財源の6割以上が借金で、本当に「責任ある」と言えるのか、まず私は質しました。

予算委員会で質問する本庄さとし
総理の答弁は「当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は昨年度を下回っており、財政の持続可能性にも十分配慮した形となっている」というものでした。しかし、昨年度の42兆円が40兆円になったというだけで、依然として巨額の国債発行に変わりはありません。しかも、今年度の補正後の予算額(歳出)は昨年度を大きく上回る133兆円超で、コロナ禍を除けば過去最大規模です。
さらに私は、高市内閣発足以降、長期金利が上昇し、円安が進行している状況を取り上げました。特に長期金利の上昇、つまり国債の価格下落は、マーケットが高市財政を信認していないことの一つの表れです。高市総理が今後どのように対処しようとしているのかと問いましたが、「財政政策だけで申し上げるのは困難」など、正面から答弁しませんでした。
■補正予算としての緊要性のない投資・基金
続いて私は、補正予算としての緊要性はあるのかという観点から、巨額の投資や基金について質問しました。
今回の補正予算でも、41基金に2.5兆円が措置されています。うち12基金は来年度予算の概算要求はありませんでしたが、補正予算で突然、計7400億円が措置されました。また、金額のない「事項要求」のみだった基金は12基金ですが、補正予算で計1.1兆円強が措置されています。
生煮えの計画に巨額の基金が「見せ金」のように積み上がっていることが、補正予算が水膨れする原因の一つです。概算要求のなかった基金や事項要求のみだった基金は補正予算では措置しない、必要があれば毎年度の当初予算で措置することを原則とすべきです。
また、国策とも言える重要政策の補正予算依存が常態化しています。総理は「当初予算で計画的に計上すべき」と述べましたが、例えば、今回も2000億円が措置されている「宇宙戦略基金」は3年連続補正予算での措置です。1年前の予算委員会でも当時の石破総理が当初予算で措置すべきと答弁しています。高市総理は今年度の補正予算から実行すべきです。
■公明党と組み替え動議を提出
予算審議と並行して、私と公明党の岡本三成政調会長とで協議を重ね、補正予算案の組み替え動議を公明党と共同提出しました。

公明党・岡本政調会長と合意
主な内容は、(1) 中・低所得者への1人2万円の現金給付など物価高対策の拡充、(2) 補正予算としての緊要性の乏しい大型投資や基金は半減し、来年度予算で再検討、(3) 財政の持続可能性、マーケットの信認維持の観点から、国債発行を減額というものです。補正予算の規模は政府案の18.3兆円から15.2兆円に減額、国債発行額も11.7兆円から7.6兆円に減額となります。
残念ながら、成立はしませんでしたが、公明党と共同でスピードとコンパクトを基本とする補正予算をしっかりと提案できたことは、今後につながる大きな一歩です。
2025年12月12日
衆議院議員 本庄さとし
質疑の動画・全文はこちらからご覧いただけます
動画:2025年12月9日(火) 予算委員会(本庄さとし公式チャンネル)
全文:12/9 予算委員会 高市総理出席、NHK中継(本庄さとしホームページ)
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