国会質問アーカイブ

11/10 内閣委員会(国家公務員等の給与法改正案)

本庄さとしYouTube

質問要旨

1.日本証券金融への「天下り」に関する大臣答弁に基づく実態調査について(河野大臣)

2.今回の給与法改正に伴う所要額1,720億円の予算措置と財源について(河野大臣、神田財務副大臣)

3.神田財務副大臣の税金滞納等に関する一部報道と国会答弁等について(神田財務副大臣)

4.総理大臣、国務大臣、万博政府代表等の給与アップについて(河野大臣)

5.立憲民主党提案の修正案について(河野大臣)

○要求大臣等 国家公務員制度担当大臣、人事院総裁、神田財務副大臣
○配付資料  なし
○パネル   なし

議事録

○本庄委員 立憲民主党・無所属の本庄知史です。本日もよろしくお願いをいたします。
 時間の制約もありまして、ちょっと質疑の順番を変えて、まず、神田財務副大臣の問題から入りたいというふうに思います。
 今回の給与法改正に伴う予算額は千七百二十億円とのことですが、これは財務省で担当しているのが神田副大臣だというふうに承知をしております。
 ところが、財務副大臣、しかも税理士でありながら、税金の滞納、差押えを長年繰り返してきたということが明らかになりました。給与法を審査する上でも、副大臣の資質、問われなければいけないというふうに思います。
 昨日の参議院での質疑では、精査するということを連発をされて、まともな答弁はほとんどありませんでした。今日は通告もいたしておりますので、その精査の結果をお示しいただきたいと思います。
 まず、明らかになっている過去四回の税金の滞納、そして差押え、この税目、滞納額、御説明をいただきたいと思います。
○神田副大臣 お答え申し上げます。
 まず、私のこの滞納の問題については、国民の皆様におわびを申し上げたいと存じます。
 その上で、委員の御質問でございますが、税目ということですが、昨日の参議院財政金融委員会などにおいて、合計四回の差押えにつきまして、いずれも固定資産税の滞納によるものとお答えしたところでありますが、現在、滞納額なども含めた事実関係については精査しているところでありまして、できる限り速やかにお示しをできるよう作業を進めているところでございます。
○本庄委員 そんなに時間のかかる精査ではないというふうに思います。
 少なくとも、四回目の差押え、これは参加差押えです。つまりは、既に差押えを受けているものを、また別の税目が滞納されて差し押さえている。ここは少なくとも固定資産ではないというふうに思いますが、いかがですか。これは、国会での答弁、虚偽になってしまいますよ。
○神田副大臣 お答え申し上げます。
 その参加差押え、この点についても、決して虚偽の答弁ということではなくて、私自身もきちんと精査しないと不明な点がございますので、分かり次第速やかに報告をさせていただきます。
○本庄委員 これは、去年の差押えで、今年の一月四日解除です。そんなに時間はかからないでしょう、昔の話ならともかく。本気で精査をされているとは思えません。至急確認の上、委員会に報告をしてください。
 委員長、よろしくお願いします。理事会でお取り計らいください。
○星野委員長 はい。
○本庄委員 それから、明らかになっている過去四回の滞納、督促、差押え、これ以外に、差押えには至らないものの滞納や督促があった、こういう事実はありますか。
○神田副大臣 今現在、その点においても、委員質問の点についても、私の方で精査を進めておるところです。その結果は、判明した事実につきまして適切に報告を申し上げたいと考えております。
○本庄委員 これは四回でもかなりの回数だと思いますが、これ以外にも新たに出てくるということであれば、これはおよそ副大臣、財務副大臣の任にないというふうに思いますが、それだけのお覚悟はありますか、副大臣。
○神田副大臣 お答え申し上げます。
 この点につきましては、私が判断することにおいては控えたいと考えております。
○本庄委員 神田さん御自身の認識を伺ったんですが。
 ところで、今年分はきちっと納税されたんでしょうか。さすがに御記憶されていると思いますが、いかがでしょう。
○神田副大臣 本年分ですが、本年分については、事務所スタッフに任せております。
 現在のところ、そのような税金の未納はないと考えております。
○本庄委員 考えておりますではなくて。
 私、通告もして、確認をお願いいたしましたが、もう一回答弁してください。そんな答弁でいいんですか。
○神田副大臣 この納税につきましては、本年分は、確認をいたしましたところ、ございません。
○本庄委員 そうであれば最初からそのように答弁してください。時間がもったいないと思いますよ。
 ところで、過去四回差押えを受けた物件、これは報道によれば、神田副大臣が二〇一二年に六千八百万円で購入をしたと。これは事実ですか。そして、そのローンを今も払い続けているというふうに聞いておりますが、どなたが幾らお支払いになっているんでしょうか。
○神田副大臣 先生がおっしゃられたこの御指摘の物件ですが、金融機関からのローンにより購入をしたものでございます。
 その上でですが、物件の購入価格、それからローンの支払い者及び支払い額につきましては、会社として一般的に公表している情報ではなくて、私以外の第三者も関わり得るために、どこまでお答えをできるのかという点も含めて精査をしておるところでございまして、今の時点でお答えすることにつきましては御容赦いただければと考えております。
○本庄委員 今現在もローンの支払いが続いているということはお認めいただけますか。
○神田副大臣 そのとおりでございます。
○本庄委員 それでは、関係者と御意向を確認の上、本委員会に御説明、御報告をお願いします。
 委員長、理事会でお取り計らいください。よろしくお願いします。
○星野委員長 今答弁していますから。(発言する者あり)
 一旦速記を止めてください。
    〔速記中止〕
○星野委員長 速記を起こしてください。
 質疑を続行いたします。
 報告を、理事会に報告をしていただくということで決定をさせていただきました。
○本庄委員 御決定ありがとうございます。
 さて、この物件の所有者でもある会社、神田副大臣が代表取締役、有限会社エヌケイソリューション、この会社の現在の業務内容や年間の売上げ等、実態はどのようになっていますか。
○神田副大臣 お答え申し上げます。
 私が代表取締役となっております会社が保有する土地建物について、まず、税金の滞納により市税事務所から差押えを受けたことがあるのは事実でありますし、深く反省しております。
 その上で、有限会社エヌケイソリューションの主な業務内容は、不動産の管理でございます。
 御指摘いただきました年間の売上高等につきましては、会社として一般に公開している情報ではなく、どこまでお答えできるかも含めて精査をしているため、今の時点ではお答えすることは御容赦いただければと考えております。
○本庄委員 不動産管理を営んでいる会社の入っているビルが差押えを受けたと。冗談にもならないような話だと思いますが。いずれにしても、御答弁ありませんでした。
 委員長、この件も含めて、確認の上、理事会に報告をしていただきたいと思いますので、御協議をお願いします。
○星野委員長 理事会で後刻協議をいたします。
 なお、先ほど理事会で決定と申しましたが、協議の誤りでありましたので、訂正をさせていただきたいと思います。
○本庄委員 私、昨日からの答弁を聞いていて、どうしても理解できないんですね。国会議員としての仕事が忙しい、それで手続を怠ってしまった、あるいはスタッフに任せていた。本当にそれだけで、四回も滞納や、しかも差押えまで至るということになるんでしょうか。
 この有限会社エヌケイソリューション、ほぼ実態はないと思うんですね、会社として。利益も上げていないんじゃないですか。そういう会社がローンを払わなきゃいけない、税もかかってくる。かなり金策がしんどいんじゃないかと思います。
 副大臣、単刀直入に伺いますけれども、滞納や差押えを四度も繰り返した理由、金欠で税金が払えなかったんじゃないんですか、多忙ではなくて。いかがですか。
○神田副大臣 委員御指摘の点についてですが、不動産管理会社という、エヌケイソリューション、これについては、業務はきちんと行われております。
 その上で、今の御質問に対しては、金欠かという点については、そのようなことはございませんし、きちんと営業を営んでおります。
○本庄委員 であれば、滞納も差押えもないと思うんですね。
 この有限会社の売上げや利益ではとても払えないからこういうことになっている。なのでポケットマネー。昨日そういう答弁もあったじゃないですか、自ら払っていると。
 私、何でこんなことを聞いているかというと、この四回の差押えが解除をされた時期なんですね。二〇一三年十二月、二〇一四年六月、そして今年一月。十二月、六月、一月、これは全て国会議員の夏と冬のボーナスの時期と重なっているんですね。これは偶然にしては余りにもどんぴしゃだと思うんですが、国会議員のボーナスから捻出して支払われたんじゃないですか。いかがですか、副大臣。
○神田副大臣 その点についても、ただいま、どういう資金経緯があったかという点についても精査をしているところでございます。
 この点についても、きちんと、分かった時点で御報告を申し上げたいと存じます。
○本庄委員 昨日、文書で通告し、そして参議院の委員会でも聞かれた内容ですね。しっかり準備して臨んでいただきたいと思いますが、こんなことでいいんですか、内閣委員会。しかも、副大臣、これは千七百二十億円の予算のかかっている給与法の審議ですよ。一問も今日答えていないんじゃないですか。しっかりしてもらいたいんですが、いかがですか、副大臣。
○神田副大臣 お答え申し上げます。
 現在、報道がなされてから精査を始めました。その結果、まだ精査を続けておるところでございまして、その事実関係が分かり次第、御報告を申し上げたいと考えております。
○本庄委員 神田副大臣も含めて政務三役の給料が上がる。そして、国会議員としてのボーナスの給料も上がります、十八万円。金策に困っていらっしゃるのならこれはプラスかもしれないけれども、余りにも不誠実な御答弁だと私は思います。
 至急事実関係を精査いただいて、来週には間に合いますよね、しっかり出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○神田副大臣 報道は今週でありました。今時点で確たる見通しを申し上げることについては困難ですが、委員の皆様の御指摘については真摯に受け止めておりまして、できる限り速やかにお示しできるよう、作業を進めているところでございます。
○本庄委員 確認しますが、その報告の前に副大臣を辞任するということはありませんね。少なくとも、自ら辞表を出すということはありませんね。いかがですか。
○神田副大臣 私の立場についての言及については、控えさせていただきたいと存じます。
○本庄委員 しっかり説明責任を国会に対して果たしていただいた上で、けじめをつけて辞任していただければと思います。
 副大臣に対しての質疑は以上です。ありがとうございました。ここで結構です、副大臣は。
 さて、河野大臣、済みません、お待たせしました。本題の給与法。
 私、よくこんな恥ずかしい法案が国会に出てきたなと驚いております。物価高、賃上げが追いつかない、国民生活苦しい、だからこそ、今、政府・与党も、経済対策、減税が必要だというふうにおっしゃっているわけですね。そういう中で、真っ先に総理大臣や国務大臣の給料がアップする、こんな法案、何で国会に出てきたのか、私は正直理解できません。
 全体を否定はしていません。一般職の給料アップもいいと思います。政治家以外の給料のアップも、特別職、いいと思います。しかし、総理や大臣が入っている、それを平気に国会に出してきたということに驚きを禁じ得ません。
 持ち回りの閣議ということで、私、閣内でほとんど議論がなかったんだろうなと思いますが、不思議なのは、これは事前審査を与党はやっていますよね、自民党さんも公明党さんも。与党の事前審査の中で、この大臣、総理の給料アップ、異論、異議、出なかったんですか。大臣、いかがですか。
○河野国務大臣 与党のことについてお答えする立場にございません。
○本庄委員 与党のことではなくて、政府が提案をしている法案について、与党の中でどういう議論が出たのかということを伺っております。いかがですか。
○河野国務大臣 与党の審議について、私の方からお答えする立場にございません。
○本庄委員 私の聞くところ、特段の異議もなく了承された、自民党、公明党の党内プロセスにおいて、というふうに聞いておりますが、これ、もう政府だけの問題ではなくて、政権全体が感覚が麻痺しちゃっているんじゃないですか。国民生活、経済の現状、そして国民の感情、私は、いよいよ末期症状じゃないのかなというふうに思います。
 昨日、官房長官が慌てて返納を言い出しました。国民の怒りが収まらないということだったんでしょうが、実は、これまでの国会答弁やあるいは記者会見で、岸田総理や官房長官は見直しに極めて否定的な答弁を続けてきた。そして、返納ということについては一言も言及がありませんでした。それが突然、昨日公表ということになったんですが、それだったら最初から返納とセットで国民に理解を求めればよかったんじゃないですか。いかがですか、河野大臣。
○河野国務大臣 昨日の午後、官房長官から返納について記者会見で話があったと承知しております。
○本庄委員 法律のとおり通して給料のアップをしようとしていたけれども、余りにも国民の反発が強くて慌てて取り繕った、こういうことじゃないかというふうに思います。返すのであれば最初から上げなきゃいいというふうに私は思います。
 結局、場当たり、つけ焼き刃、そして人気取りの政策を重ねてきている。今回の給与法もその象徴だというふうに私は思います。
 私たちは修正案を提出をしておりますが、一般職、自衛官、政治家以外の特別職の給与改定は賛成ですが、特別職のうち政治家の部分については給与、ボーナスを据え置く、そして国会議員のボーナスも、これはほっておくと連動して上がってしまいますので据え置く、こういうものを出しています。
 さて、河野大臣は、閣僚であると同時に国会議員でもあります。閣僚としての給与あるいはボーナスは返納ができるでしょう、しかし、国会議員としてのボーナス、十八万円アップ、ここの部分は返納はできません。いかがされますか、そのまま受け取るということでよろしいですか。
○河野国務大臣 法に基づいて対応してまいります。
○本庄委員 それで国民の理解が得られるというふうにお考えでしょうか。
○河野国務大臣 法治国家でございますから、法に基づいて対応するというのは当然のことだと思います。
○本庄委員 なぜ私たちが提案をしている議員修正に応じていただけないんでしょうか。いかがですか。
○河野国務大臣 政府として提案した法案でございますので、国会で慎重に御審議の上、早期成立を図りたいと思っております。
○本庄委員 河野大臣の答弁を聞いていますと、他の官職とのバランスがどうだとか、そういうことをおっしゃっています。
 しかし、今回のように給与アップをするという法案の中で政治家だけ据え置いたという先例があります。一九九八年、平成十年ですけれども、小渕政権ですね。総理や閣僚や政務次官などの政治家の給与、ボーナスを据え置く。これは自民党からの提案の議員修正ということで実現をしたものであります。このときは、国会議員の給与、ボーナスの引上げも据置きというふうになりました。
 これは、政府・与党が決断すれば、法律の修正で議員のボーナスのアップの部分を含めて対応ができるんです。法律のとおりやるとおっしゃいますが、法律を修正する、変えることもできるんですね。いかがですか、大臣。
○河野国務大臣 国会での御審議等ございますので、国会の方で対応していただきたいと思います。
○本庄委員 是非、与党の方にも御理解をいただいて、私どもの提案をしている議員修正について御理解をいただければというふうに思います。
 最後に、前の委員会で私が指摘をした天下りの問題について、公務員という観点からお尋ねをしたいと思います。
 四月二十八日のこの委員会で、日証金、日本証券金融株式会社への日銀、財務省からの天下り、これを取り上げました。
 日証金の社長、これは一九五〇年から七十年間切れ目なく、十代連続日銀のOBです。財務省からも一九六〇年から六十年間、十人切れ目なく、副社長など役員に天下ってきました。
 河野大臣は、こういうケースがどれくらいあるか、事実関係を調べたいというふうに答弁されましたが、その調査の結果、どうなりましたでしょうか。
○河野国務大臣 東証プライム市場に上場している約千八百社について調査をいたしました。各社の代表取締役、社長ポストへの国家公務員OBの就任状況を確認したところ、株式会社INPEX及び石油資源開発株式会社の二社において、二十年以上にわたって経済産業省OBが連続して就任していることを確認したという報告を受けております。
 この件は、再就職等規制のルールに違反するものでもございませんが、また、企業としての判断の下、選任されたものと承知をしております。そのこと自体は法律に基づいた手続にのっとったものではございますが、この両社につきましては、政府が一定の株式を保有をしているところでございますので株主として政府がある面判断ができると思っておりますので、私は、同一企業のトップに何代にもわたって国家公務員のOBが就くことは好ましくないと思っておりますので、その旨、この所管をしている経済産業省に伝えているところでございます。
○本庄委員 時間が来たので終わりますが、今の二社の二十年間の再就職の状況について、資料を理事会の方に提出をしていただきたいと思いますので、お取り計らい、よろしくお願いします。
○星野委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○本庄委員 以上で終わります。ありがとうございました。