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4/7 本会議「討論」(経済安全保障推進法案⑤)

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質問要旨

以下、本会議「討論」の主な発言内容

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委員会審議の中で私たちが指摘してきたとおり本法律案にはいくつもの問題点が残されています。例えば、法律の前提となる経済安全保障の定義が法文上明示されていないこと、法律全体に通底する基本理念がないこと、新設する4つの制度に関する重要事項が法律ではなく今後の閣議決定や政令、省令に委ねられていること、政府の規制措置が合理的に必要と認められる限度とされており必要最小限としている外為法などと比べて広範であること、国会報告など事後的な検証の仕組みが不十分であること、そしてこれらの結果政府の権限や裁量が過大になる恐れがあることなどであります。

立憲民主党が内閣委員会に提出した修正案、これはこうした内閣提出法案の問題点を補完し補強するものです。第一に、法案全体に通ずる基本理念を定め、今後の基本方針や基本指針、政令、省令は基本理念に則り、策定するものとします。第二に、政府の運用を国会がコントロールするため、重要な政令や省令を制定、変更する場合に、外部専門家の意見を聴取することを法律上明記するとともに、事業者への影響が大きい措置にあたっての要件を厳格化します。そして第三に、政府の運用を事後的に検証するため、政府による国会への報告を義務付けます。

立憲民主党の修正案は、国益とりわけ国家、国民の安全を経済面から確保することを旨とする経済安全保障の確立に大きく資するとともに、自由で開かれた経済をしっかりと守り抜くものであると確信をしております。残念ながら、衆議院において修正はなりませんでしたが、その大部分が附帯決議の中に盛り込まれたことは多といたします。

内閣提出法案には、懸念点、足らざる点がありますが、立憲民主党の指摘や提案を含め、委員会審議の中で質疑と答弁を丁寧に積み上げてまいりました。今後の参議院審議、法案成立後の運用において、政府が適切に対応することを期待し、私たち立憲民主党は、本法案に賛成することといたしました。

以上

議事録

○本庄知史君 立憲民主党の本庄知史です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました内閣提出法案、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案について、その問題点も指摘をしつつ、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず冒頭、今なお続くロシアによるウクライナ侵略について、改めて、最大限の言葉で非難するとともに、戦争の犠牲となられた方々、一千万人を超える難民、避難民の方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 とりわけ、無辜の民間人の殺害は、重大な国際人道法違反であり、戦争犯罪です。キーウ郊外ブチャでの殺りく始め、ウクライナ各地で行われているロシア軍による無差別攻撃、無差別殺人等について、その真相究明と責任追及、戦争犯罪人への厳正な処罰が必要です。
 他方、ウクライナから我が国への避難民の方々については、私たち立憲民主党が本院に提出した法案の内容、例えば、戦争等避難者という在留資格によって就労活動を可能とすることなど、更なる支援の拡充が必要です。
 政府の一層の御尽力と党派を超えた国会の取組を強くお願い申し上げるとともに、一日も早い停戦、平和的解決に向けて、立憲民主党としてでき得る限りの努力と協力をお約束いたします。
 以上申し述べ、以下、討論に入ります。
 私たち立憲民主党は、昨年の衆議院総選挙において経済安全保障の確立を政権政策として掲げるなど、かねて経済安全保障の重要性と必要性を訴えてまいりました。
 今回の法案審議に当たっても、自由で開かれた経済、民間活力と経済成長を基本としつつ、いかに経済安全保障の実効性とのバランスを図っていくか、そういう観点から、丁寧に経済界や有識者の意見を聞きながら、論点を整理し、国会で問題点を指摘し、政府答弁で確認をしてまいりました。
 確かに、経済安全保障という新しい多岐にわたる概念を法制化することは容易な作業ではありません。その意味において、小林大臣を始めとする政府・与党関係者の御尽力には率直に敬意を表しています。
 他方、内閣提出法案の作成過程で明るみになった藤井敏彦前経済安全保障法制準備室長の一連の非違行為は、法案の根幹を揺るがしかねない重大な問題です。経済安保ビジネスともやゆされるように、本法律案が射程に置いている分野は、様々な利権や癒着が生じかねないものです。だからこそ、他の法律や制度以上に、政府には厳正、厳粛な姿勢が求められます。いまだ藤井氏の国会招致が実現していないことも含め、政府の真相究明、説明責任が十分に果たされていないこと、危機感の欠如、これは甚だ遺憾です。政府、そして与党の適切な判断と対応を改めて求めます。
 その上で、内閣提出法案の内容について申し述べます。
 委員会審議の中で私たちが指摘してきたとおり、本法律案には幾つもの問題点が残されています。
 例えば、法律の前提となる経済安全保障の定義が法文上明示されていないこと、法律全体に通底する基本理念がないこと、新設する四つの制度に関する重要事項が法律ではなく今後の閣議決定や政令、省令に委ねられていること、政府の規制措置が合理的に必要と認められる限度とされており、必要最小限としている外為法などと比べて広範であること、国会報告など事後的な検証の仕組みが不十分であること、そして、これらの結果、政府の権限や裁量が過大になるおそれがあることなどであります。
 立憲民主党が内閣委員会に提出した修正案は、こうした内閣提出法案の問題点を補完し、補強するものです。改めてその一部を御紹介申し上げたいと思います。
 第一に、法案全体に通ずる基本理念を定め、今後の基本方針や基本指針、政令、省令は基本理念にのっとり策定するものとします。この基本理念には、自由で開かれた経済と国家国民の安全確保の両立、事業者の自主性の尊重、公正な競争、事業者と国民に対する十分な説明、行政の肥大化を招かないこと、国際約束の誠実な履行などを掲げています。
 第二に、政府の運用を国会がコントロールするため、重要な政令や省令を制定、変更する場合に外部専門家の意見を聴取することを法律上明記するとともに、事業者への影響が大きい措置に当たっての要件を厳格化します。
 そして、第三に、政府の運用を事後的に検証するため、政府による国会への報告を義務づけます。
 立憲民主党の修正案は、国益、とりわけ国家国民の安全を経済面から確保することを旨とする経済安全保障の確立に大きく資するとともに、自由で開かれた経済をしっかりと守り抜くものであると確信をしております。残念ながら、衆議院において修正は成りませんでしたが、その大部分が附帯決議の中に盛り込まれたことは多といたします。
 国際情勢や社会経済構造が急激に変化する中、経済安全保障の確保は我が国にとって待ったなしの課題です。るる申し述べたとおり、内閣提出法案には懸念点、足らざる点がありますが、私たち立憲民主党の指摘や提案を含め、委員会審議の中で質疑と答弁を丁寧に積み上げてまいりました。これらの議論、そして附帯決議の内容を踏まえ、今後の参議院審議、法案成立後の運用において政府が適切に対応することを期待し、私たち立憲民主党は本法案に賛成することといたしました。
 なお、日本維新の会提出の法律案につきましては、これが内閣提出法案の対案と言えるかは別として、罰則の強化など、経済活動の自由を過度に阻害するおそれがあり、私たちの基本理念とは相反することから、反対をいたします。
 戦後、内閣総理大臣となった石橋湛山氏は、戦前の帝国主義全盛の時代にあって小日本主義を掲げ、植民地主義や保護主義ではなく、国際協調と自由貿易こそが我が国を発展せしめると訴えました。不幸にして、我が国はその逆の道をたどり、無謀な戦争に突入するに至りましたが、戦後は、その教訓と反省を踏まえ、自由貿易体制と日米同盟を両輪として、七十年以上の長きにわたって平和と繁栄を築いてきました。
 経済と安全保障は、時に一体であり、時に相反し、そのバランスを図ることは、本法律案にも内在する、いわば永遠の課題とも言えるものです。覇権主義や狭いナショナリズムが拡大し、不安定、不透明な現代の国際社会にあって、それでもなお、自由で開かれた経済こそが我が国繁栄の礎であり、それを守り抜くことが最大の安全保障でもある、このことを最後に申し上げて、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。