かわら版Vol.58 「石油危機を回避せよ」
■新年度スタート!
新年度がスタートしました。新入生や新入社員の皆さんは期待と不安が混じり合いながら、新たな門出を迎えられたことと思います。しかし、残念ながら、明るい話題ばかりではありません。止まらない物価高、不安定な国際情勢など、新年度早々課題は山積しています。
■原油・ガソリン価格の急騰
中でも、2月28日に勃発したイラン戦争は、世界のエネルギー情勢を一変させました。米国とイスラエルの攻撃に対抗し、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖した結果、中東からの石油供給は約2割減少。原油価格は一時1バレル120ドル超まで急騰しました。
原油の9割以上を中東に依存する日本にとって、イラン戦争は遠い世界の出来事でありません。その影響は、日本経済、国民生活にも暗い影を落としつつあります。
ガソリン価格はイラン戦争開始直後に、一時190円台まで急騰しました。政府の補助金政策により、現在は全国平均170円前後まで低下していますが、昨秋の国会で暫定税率を廃止していなかったら、今頃どうなっていたか、考えただけでも恐ろしくなります。
■政府は需要抑制策の決断を
政府は石油備蓄の放出も進めています。15日分の民間備蓄の放出に続き、30日分の国家備蓄の放出も始まりました。国民生活だけでなく、産業や医療など幅広い分野への影響を考えれば、やむを得ない措置です。
ただ、備蓄は200日分以上残っているとはいえ、現時点では、ホルムズ海峡封鎖が解除される明確な展望も、石油不足を根本的に解決する具体策も見えていません。
半年で備蓄が底を尽きる可能性もゼロではない以上、危機管理の観点から、ガソリンや石油の消費抑制、省エネや節電といった需要抑制策を政府は決断すべきです。
■即効性ある中低所得者支援
エネルギー価格の高騰を含む物価高対策、とりわけ中低所得者への生活支援は、ガソリン価格や電気・ガス代の値下げよりも、給付金などで対応すべきです。資金繰り支援など中小企業対策にも万全を期す必要があります。
その財源は、さらなる円安・インフレを招きかねない赤字国債ではなく、立憲・中道が提案してきた「積みすぎ基金」の取り崩しや特別会計の剰余金を充てることから検討すべきです。
これにより、食料品消費税ゼロの財源を先食いしてしまう可能性もありますが、食料品消費税ゼロを一旦棚上げにしてでも、即効性のある対策を優先すべきです。
■中長的なエネルギー安全保障も
同時に、中長期的なエネルギー安全保障の強化は急務です。省エネのさらなる促進、再エネの最大限導入を進めつつ、原油の中東依存度の低減、ホルムズ海峡以外のルート確保、LNGや水素などエネルギー源の多様化など、取り組みは多岐に渡ります。
これまでの政府の不作為は猛省を求められて然るべきですが、国会でも党派を超えた議論を急ぎ、経済・国民生活最優先の政策をしっかり進めなければなりません。
2026年4月1日
前衆議院議員 本庄さとし